再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

ショッピングモールのショーウインドーを眺め、気になったお店で足を止めた。
仕事を終え、テツとの待ち合わせまでの時間潰しの為にショッピングモールに寄っていた。
今、一緒に住んでいるので待ち合わせをしたことがないからデート気分に少し浮かれていた。

今日はバスで反対方向の路線に乗り、駅に向かった。
私がおばさんの店で働いていた時に利用していた駅だ。

駅から地下直結で少し歩いて行けば大型のショッピングモールがある。
すごく便利だから時間潰しにはもってこいだ。

あの服、可愛いから給料が入ったら買おうかな。
いろいろチェックしていたら、テツからスマホにメッセージが届く。

《今、終わった。どこにいる?》

《お疲れさま。ショッピングモールにいるよ》

《もうすぐ会社を出るから駅の噴水広場で待っててもらってもいいか?》

噴水広場か、今から出れば五分ぐらいで着けるかな。
私は《了解》のスタンプを押し、ショッピングモールを出た。

急ぎ足で駅へと向かうと思ったより早く着いた。
息を整えながら噴水広場へ向かった。

時刻は十九時過ぎ、そこには大学生らしき集団がいたり、私と同じように待ち合わせをしているであろうOLの姿もあった。
私は少し離れたベンチに座り、バッグからスマホを出す。

《噴水広場に着いたよ》

テツにメッセージを送っていたら人の気配がして顔を上げた瞬間、息が止まるかと思った。

嘘……どうして?
私の目の前にスーツ姿の斉藤さんが立っていた。
< 143 / 153 >

この作品をシェア

pagetop