再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「なんだよ、それ……。僕は別に謝ってほしい訳じゃない。ただ、君と付き合いたかったんだ」
斉藤さんは力なく呟く。
私は申し訳なさで胸が痛くなった。
「仕事で失敗して落ち込んでいた日、何気なく目に留まった弁当屋に入ったんだ。それで弁当を買ってレジで支払いをしていた時、君は笑顔で仕事頑張ってくださいって言ってくれたんだ。その時に僕は救われた気がした。僕はその瞬間、君に恋に落ちた。君に会いたくて毎日のようにあの店に通ったんだ」
「だからってストーカーはまずいだろ」
「僕はストーカーなんてしていない!」
「自覚がないヤツほどそう言うんだよ。美桜に会うために毎日のように店に通ったんだろ。それに、居酒屋でも遭遇したって聞いてるけど。美桜が不快に思った時点でアウトだろ」
「確かに店には通った。だけど、居酒屋で会ったのは本当に偶然なんだ。たまたま入った居酒屋でナツキさんを見かけて嬉しくなって声をかけただけだ。だから僕はストーカーじゃない」
斉藤さんはハッキリとストーカーじゃないと言い切った。
居酒屋で会ったのは偶然だったのか。
それを聞いて少し安堵した。
やっぱり自意識過剰な部分もあったんだなと反省していると、テツが思いがけない言葉を口にした。
「あんたさぁ、他に目を向けてみたらどうだ?」
「どういうことだ?」
斉藤さんは怪訝そうな表情でテツを見る。