再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

連れてこられたのは、『ダークムーン』というバー。
車は近くの駐車場に止めて少し歩いた場所にバーはあった。
ここはどうやらテツの行きつけのお店らしく、長身の渋いイケメンと親しそうに挨拶を交わしている。

「こんばんは、朔斗さん」

「哲平くん、いらっしゃい。珍しく今日は一人じゃないんだな」

「えぇ、まぁ」

ふぅん、テツはここに来るときは一人なんだ。
てっきり、女の人を連れてきてるのかと思った。

「空いている席へどうぞ」

カウンターの左側にはサラリーマンが一人、お酒を飲んでいる。
テツはカウンターの右端に座り、私はその隣に座る。

「美桜、何か飲む?」

「じゃあ、ピーチフィズで」

「つまみ系はいらないのか?」

どうしよう。
さっき、お店で残った惣菜を食べたからそんなに食べれない。
だからといってお酒だけっていうのも寂しいし。
メニューを見て考える。

「レンコンチップスかな」

「了解。マスター、ピーチフィズとレンコンチップス、俺は茄子とベーコンのトマトソースパスタと彩り野菜と海老のアヒージョと烏龍茶」

「あれ、今日は飲まないんだな」

「車で来てるから」

「なるほど」

テツが注文すると、マスターと呼ばれていたイケメンの男性はカウンターの奥に入っていった。

「ここのアヒージョはマジで美味いから食べてみて」

「うん、ありがとう」

私は返事をしながら、店内に視線を向けた。
< 17 / 153 >

この作品をシェア

pagetop