再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
連れてこられたのは、『ダークムーン』というバー。
車は近くの駐車場に止めて少し歩いた場所にバーはあった。
ここはどうやらテツの行きつけのお店らしく、長身の渋いイケメンと親しそうに挨拶を交わしている。
「こんばんは、朔斗さん」
「哲平くん、いらっしゃい。珍しく今日は一人じゃないんだな」
「えぇ、まぁ」
ふぅん、テツはここに来るときは一人なんだ。
てっきり、女の人を連れてきてるのかと思った。
「空いている席へどうぞ」
カウンターの左側にはサラリーマンが一人、お酒を飲んでいる。
テツはカウンターの右端に座り、私はその隣に座る。
「美桜、何か飲む?」
「じゃあ、ピーチフィズで」
「つまみ系はいらないのか?」
どうしよう。
さっき、お店で残った惣菜を食べたからそんなに食べれない。
だからといってお酒だけっていうのも寂しいし。
メニューを見て考える。
「レンコンチップスかな」
「了解。マスター、ピーチフィズとレンコンチップス、俺は茄子とベーコンのトマトソースパスタと彩り野菜と海老のアヒージョと烏龍茶」
「あれ、今日は飲まないんだな」
「車で来てるから」
「なるほど」
テツが注文すると、マスターと呼ばれていたイケメンの男性はカウンターの奥に入っていった。
「ここのアヒージョはマジで美味いから食べてみて」
「うん、ありがとう」
私は返事をしながら、店内に視線を向けた。