再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「なぁ、そんなに飲んでるけど明日も仕事があるんじゃないのか?」
シャンディーガフをおかわりして飲んでいる私を見て心配そうに言ってくるテツが親みたいでおかしくなりケラケラ笑いながら答えた。
「明日も遅番だから問題はないよ」
「それならいいけど」
テツと話しながら、多少酔いが回っているんだろうなという感覚はあった。
居酒屋しか行ったことがなかったので、本格的なバーに来るチャンスなんて二度とないから素面のテツには悪いけど、つい飲んでしまう。
でも、値段のことを考えたらこれ以上は無理だ。
「そうだ!テツの家で飲み直そう」
いいことを思いついたとばかりにポンと手を叩く。
「はぁ?お前、言っている意味分かってるのか?」
「何が?テツの家でお酒飲もうと思ってるんだけどダメ?」
「いや、ダメという訳ではないけど」
歯切れが悪く、少しテツが焦っているように見える。
怪しいな。
「分かった。家に彼女がいるから無理なんだ」
「彼女はいない」
「ホントに?」
「ホントだ。高校の時以来、そういう存在はいない。正直、その時は無理矢理付き合わされて、一週間もたたずに別れたから彼女といえるのか微妙だけど」
へぇ、一週間だけど高校の時に付き合った人がいるんだ。
胸の奥がモヤモヤするのはどうしてだろう。
「でも、テツはモテるでしょ」
「確かに苦労しなかったから、それについては否定しない。でも、今は落ち着いている」