再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
取り合えず、服を着なきゃ。
テツを起こさないようにそっと手を伸ばして下着を拾って身に付ける。
カットソーを拾うためにべッドから降りようとした時、低く掠れた声が耳に届いた。
「起きたのか?」
「ヒッ!」
身体がビクリと跳ね、思わず変な声が出た。
テツがゆっくりと起き上がると、裸の上半身が目に入る。
細身だけどしっかりと筋肉はついていて、バランスのとれた身体つきに思わずガン見する。
あれ?左腕に引っかき傷のような赤い筋がある。
怪我でもしたんだろうか。
「あぁ、これか」
私の視線に気付いたテツは左腕の引っかき傷を擦る。
「痛みはないから気にするなよ」
気にするなってどういうこと?
テツの言い方からして、私が引っかいたんだろうか。
ホントに何があったか覚えていない。
でも、現状からして答えはひとつのような気がする。
「あの、もしかして私たち……」
「もしかしてって、まさか覚えていないのか?」
テツは呆れたというか、困惑したような表情になる。
「えっ、いや、その……」
答えにつまり視線をさ迷わせる。
この状況で覚えていないとは言いづらい。
かといって、思い出そうとしても思い出せない。
「覚えてないなら身体に聞いてみる?」
「か、身体って……」
アワアワと動揺している私を見て意地悪な笑みを浮かべると、腕を掴まれ引き寄せられた。
テツの顔が間近に迫ってきたと思ったら、私の唇に柔らかな感触があった。