再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
水曜の夜、仕事終わりに親友の村山さつきと約束をしていた。
小学校の頃からの仲で、もちろん私とテツのことも知っている。
あの卒業式の後、泣いている私を慰めてくれたのがさつきだった。
私以上に怒ってくれて『鳴海とは絶交するから』と鼻息荒く言っていたっけ。
さつきは黒髪のショートボブ、長身でモデル体型だ。
目鼻立ちもハッキリしていて化粧映えする美人系。
対する私は、身長は平均的。
少したれ目気味の二重に鼻もやや低め、上唇が薄いのが気になるところ。
ピンクベージュのミディアムヘアで、髪の毛の量が多いので美容院に行くと大量に梳いてもらっている。
さつきとは私が転校してからも交流は続けていた。
高校まではお互いに忙しくて会ってなかったけど、短大に入学してからは定期的に会うようになった。
今日も「お疲れさま」と乾杯した後にお互いの近況報告をしていた。
さつきにテツと十数年振りぐらいに再会したことを伝えたら、驚きで目を丸めていた。
「えっ、テツってあの鳴海哲平?」
「そう。あの鳴海哲平」
私は焼き鳥を食べながら答える。
まぁ、さつきが驚くのも無理はないよね。
私も驚いたし。
「そんな偶然ってあるのね。でも、お互いによく気付いたわね」
「私は最初は全然分からなかったの。先にテツが私のことに気付いて声をかけてきたから」
「ふぅん。でも、アイツよく美桜に声をかけてこれたわね」
さつきは憤慨した様子でビールを飲む。