再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
強引な優しさ

次の日、朝から弁当詰めの作業をしていた。
今日の配達の分と日替わりの弁当だ。

それが済むと、配達の準備を始める。
車に弁当の入った保温ボックスを積み、配達先の住所をナビにセットし、出発する。

ここから十分もかからない場所に今日の配達先の会社がある。
配達依頼は、だいたい十二時前には届けて欲しいとのことだった。
初めて行く場所だし、万が一道を間違えたり道が混んだりして時間に遅れることになったらお店の信用にも関わる。
だから、常に時間に余裕を持って行動するのが一番だ。

無事に配達を終えると、車を駐車場に止めた。
保温ボックスを持ち、裏口へ回ろうとしたらスーツ姿のサラリーマンが視界に入った。
斉藤さんだ。

「ナツキさん!」

笑顔で私の方に向かって歩いてくる。
昨日と同じようなシチュエーションにゾワリと鳥肌が立った。

「今日も配達に行かれてたんですね!このあと、レジに入りますか?」

「裏で作業することがあるので、それが終わったら入ると思います」

「そうなんですね」

私の返事を聞き、嬉しそうに笑う。
もう、その笑顔が私にとっては怖くて仕方ない。
このタイミングのよさは何だろう。
斉藤さんに他意はないのかもしれないけど、どうしても変に勘ぐってしまう。
偶然という言葉では片付けられないような気がしてならない。

「じゃあ、またお店で」

そう言って店の中へと消えていった。
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