再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「ただいま戻りました」
「お疲れさま。美桜ちゃん、どうしたの?顔色が悪いけど」
裏口のドアを開けて中へ入ると、私の顔を見たおばさんが心配そうに聞いてきた。
まだ、あの人がストーカーと決まった訳じゃない。
だけど、万が一のことがあったらお店にも迷惑をかけてしまうかもしれない。
隠すのは得策じゃないと思い、おばさんに斉藤さんのことを話した。
「今、お店にいると思います。それに、このあと私がレジに入るのか聞かれて」
「そうなの?」
おばさんは何かを考えるように腕組みする。
そんなことより、今はお昼時。
お店も忙しいから私がレジに入らないといけない。
パートの人も困っているだろうし。
あの人のことを考えるのは後回しにしよう。
私が我慢して対応すればいいだけのことだから。
「お店に出ますね」
「ちょっと待って!」
おばさんが私の腕を掴み、引きとめる。
「私が出るから美桜ちゃんはレジには入らなくていいわ」
「どういうことですか?」
「言葉の通りよ。それと、しばらくお休みしたらどう?」
「えっ?」
突然、休むことを提案されて動揺してしまう。
「話を聞いていると本当にストーカーかも知れないから、このまま美桜ちゃんがお店に出るのは不安だわ。何か対策をしないと」
「でも、お店に迷惑はかけれません」
休むなんて、そんな自分勝手なことは出来ない。