再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「他で働くなら、休職じゃなく退職という形をとった方がいいかしら」
「そうだな。中途半端にしていると、採用してもらえないかもしれないし。美桜ちゃん、どうする?」
二人は親身になって私のことを考えてくれている。
「それで構いません。解決したら、また戻ってきてもいいですか?」
斉藤さんがどういうつもりで私のことを待ち伏せしたりしているのか分からない。
私が仕事を辞めたということを知ったあと、どんな行動をとるのか検討もつかない。
私の思い過ごしなら、時間が経てば解決するんじゃないかなという気持ちがあった。
「それはもちろんよ!うちはいつでも大歓迎だから」
「そうと決まれば、美桜ちゃんは帰る準備をして。みーちゃんはお店をよろしく。梶川さんたちにも話をしておかないといけないな。もし、そのサラリーマンが美桜ちゃんのことを聞いてきたら、急に体調が悪くなって帰ったと伝えよう」
「分かったわ」
おじさんが指示を出し、おばさんが頷く。
「明日以降、美桜ちゃんのことを聞いてきたら美桜ちゃんは就職先を探していて、それまでの繋ぎでこの店で働いていたことにしよう。やっと新たな就職先が決まり、明日から有給休暇を使い今月末で退職すると伝えよう。ちょっと無理があるかも知れないが、どうにかなるだろう」
「あら、いいアイデアね!あなたにしては上出来よ」
二人の会話にポカンとしてしまう。