再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

あっという間に私のストーリーが作り上げられてしまった。
罪悪感はあるけど、私のことを考えてくれるおばさんたちの気持ちが嬉しかった。

私はパートの人たちにも説明するべきだと思ったので、休憩時間まで待っていた。

おばさんがお店に出ると、案の定、斉藤さんは私のことを聞いてきたらしい。
体調が悪くなって帰ったと伝えたら、驚いた様子で「お大事に」という言葉を残して帰っていったと教えてくれた。

どうして私のことをそんなに気にするのか理解に苦しむ。
特に気に入られるようなことはしていないはずなんだけど。

私の中で斉藤さんはストーカーと認定せざるを得なかった。
でも、直接何か危害を加えられたりした訳ではないから警察に相談しようにもそれが出来ない。
本人が否定したり、私の勘違いだと言われたらそれでおしまいだ。
距離を置いて、様子を見るしかない。

パートの人たちにもこの件を話したらすごく驚いていた。

『美桜ちゃん、その男っていかにも真面目そうなスクエアタイプの眼鏡しているサラリーマンでしょ。そういえば前に美桜ちゃんのことを聞いてきたわ』
『あの手のタイプは思い込みが激しそうだし、美桜ちゃんの対応に勘違いしたのかもね』
パートの梶川さんと杉山さんが口々に言っていた。

梶川さんと杉山さんは二人とも四十代後半。
子供も中学生や高校生になり、子育てに手がかからなくなったのを機にこのお店で働くようになった。
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