再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

梶川さんは『美桜ちゃんと一緒に働けないのは残念だけど、ストーカーに狙われてるんじゃ仕方ないよね』と涙目になりながら言ってくれた。

杉山さんは『サラリーマンが来ても美桜ちゃんの情報は与えないし、目を光らせておくから任せておいて』とガッツポーズをしながら言ってくれた。

もう一人のパートの人は五十代の道端さん。
孫がいるおばあちゃんだけど、すごくパワフルな人だ。
今日は休みだったから電話でこのことを伝えると、梶川さんたちと同じようなことを言ってくれた。

急な話なのに、嫌な顔することなく協力してくれる。
みんな理解のある人たちばかりで、私はどれだけ職場に恵まれていたのかということを改めて実感した。

名残惜しいけど、みんなから早く帰るように促されて私はお店を出た。

十五時過ぎに家に帰り、着替えを済ませる。
平日にこんな時間から家にいることがないので変な気分だ。
これからどうしようかと思案していたらスマホにメッセージが届いた。
送り主はテツだ。

《お疲れさま。今日の夜、予定ある?》

今日は何もやることがないので暇と言えば暇だ。

《お疲れさま。特に予定はないけど》

メッセージを送るとすぐに返信が来た。

《よかった。仕事終わりに会おう。また連絡する》

ものの五分の間で、約束がまとまってしまった。
このタイミングでテツと会うのか……。

私はテツから連絡がくるまで、部屋の片付けをしながら過ごすことにした。
< 46 / 153 >

この作品をシェア

pagetop