再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「で、どういうことだよ」
ジロリと睨まれて肩を竦めた。
私は今、テツの行きつけの居酒屋で追求を受けている。
あの後、テツから迎えに行くから仕事はいつ終わるのか聞かれて返答に困った。
なぜなら私は家にいたから。
正直に家にいると答えると、何でだと聞かれ、話せば長くなるから会ってから話すと伝えた。
そして、料理を一通り注文したところで追及が始まった。
「いろいろあって、仕事は辞めることにしたの」
「いろいろって何だよ」
「いろいろは、いろいろだよ」
「答えになってない」
ですよねー。
でも、ストーカーされてるかもしれない、なんて実際に被害に遭った訳じゃないのに話すのもどうかなと思ったりして。
最終的にテツの無言の圧力に負け、私の勘違いかも知れないけどと前置きして話し出した。
「最近、毎日のようにお店に弁当を買いに来てくれるサラリーマンがいるんだけど、その人の様子がおかしくて」
「様子がおかしいってどういう風に?」
「いや、ホントに偶然とか私の思い過ごしかもしれないんだけどね。そのサラリーマンからよく話しかけられるようになって……。この前は、私とさつきがご飯を食べに行っていたお店で遭遇したの。その次の日に私が配達から帰ってきた時、裏口までやって来て声をかけてきて、そういうのが何回かあったから」
目の前にあるメロンソーダのグラスについている水滴を人差し指で触る。