再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

キャパオーバーで黙りこんでしまった私にテツは更に言葉を紡ぐ。

「俺の知らないところで美桜が危険な目に遭うのだけはマジで嫌なんだ。だから、俺の家に来て欲しい。美桜のこと、そばで守らせてくれ」

テツの想いがじわりと胸に響く。
でも、甘えてもいいんだろうか。
そんな気持ちで目の前のテツを見ると、フッと表情を緩めて笑う。

「俺は美桜のことが好きだと言っただろ。好きな子を自分の手で守りたいと思うのは当然のことだ。美桜は俺を利用すればいい」

「利用だなんてそんな……」

失礼なことは出来ない。
十数年振りに偶然会ったテツにそこまで頼れない。
かといって、この状態で一人でいるよりテツがいてくれた方が心強いのは確かだ。
だからって、テツの家に行くのはハードルが高すぎる。
だって、同居ってことでしょ。
テツと一緒の部屋で過ごすということが想像できない。

「俺たちは深い関係になってるのに、今さら何を遠慮してるんだよ」

ニヤリと意味深な笑みを浮かべる。
それって……!
あの時のことを思いだし、顔が赤くなる。

「俺だって美桜と一緒にいれるのは願ったり叶ったりだし、ウィンウィンだと思うけど」

「でも……」

「あー、もう!ごちゃごちゃうるせぇな。俺と一緒に住むのは決定事項だから。はい、この話は終わり」

テツは強引に話を切り上げ、目の前のビールを一気に飲み干した。
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