再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
哲平side
自分でもかなり強引だったと思う。
だけど、美桜からストーカーの話を聞いて黙っていられなかった。
夏木美桜、俺の初恋の相手。
美桜に初めて会ったのは三歳ぐらいの頃。
当時の俺は引っ込み思案で母親の背中に隠れるような子だった。
ある日、母親に連れられて近所の公園に行くと砂場で大きな山を作っている子供がいた。
服も砂まみれ、髪の毛もショートカットで見た目は男の子だった。
目が合うと、その子は大きく目を見開いた。
そして、俺が砂場セットを持っていることに気づくとニコニコしながら近寄ってきた。
「あたしといっしょにあそぼ!」
あたし?
男の子だと思っていた子は女の子だった。
それから何度も公園で会うようになり、母親同士も仲良くなって同じ幼稚園に通うことになった。
余談だが、美桜も俺のことを女だと思っていたらしい。
お互いに最初は性別を勘違いしていたなんて笑える話だ。
美桜は小学校でも相変わらず活発で男勝りな部分もあったけど、正義感が強く優しい子だった。
俺はそんな美桜が大好きで、いつも後を追いかけるようにくっついていた。
小学二年の頃、美桜が一学年上の男子生徒と口喧嘩をして泣いている場面に遭遇した。
俺は足がすくみ、助けることも相手に立ち向かっていくことも出来なかった。
そんな弱い自分が嫌になった。
その時、後を追いかけるんじゃなく、前に出て美桜を守れるような強い男になりたいと考えるようになった。