再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
美桜は黙りこくり、難しい表情で考えている。
そんなに考えることでもないだろ。
ただ頷けばいい話なのに。
なかなか口を開かない美桜に言葉をかける。
「俺の知らないところで美桜が危険な目に遭うのだけはマジで嫌なんだ。だから、俺の家に来て欲しい。美桜のこと、そばで守らせてくれ」
そう言うと、困ったように眉尻を下げて俺を見る。
美桜の中でいろいろ葛藤があるのかもしれない。
好きだから守りたいと思うのは当然だ。
どう言ったら美桜に分かってもらえるんだろうと考えて俺のことを利用すればいいと言った。
そしたら、それは出来ないとばかりに表情を曇らせる。
美桜は正義感が強くて優しいからそういうことは出来ないと思うんだろう。
こういう時に美桜がずる賢い性格だったらよかったのに……。
まぁ、美桜がそんなヤツだったら俺も好きにならないんだけど。
「俺たちは深い関係になっているのに、今さら何を遠慮してるんだよ」
こうなったら揺さぶるしかないと思い、意味深に言えば美桜の顔はみるみるうちに真っ赤に染まっていく。
「俺だって美桜と一緒にいれるのは願ったり叶ったりだし、ウィンウィンだと思うけど」
ここまで言っても美桜は首を縦に振らない。
こうなったら強引に押し切るしかないと思い、一緒に住むことは決定事項として話を強引に終わらせた。
そこまでしないと美桜を守ることが出来ない。
美桜に対する想いは誰にも負けないぐらい強いんだ。
俺はこれから始まる美桜との同居生活に向けて考えを巡らせていた。