再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
昼からテツと一緒に近所のスーパーへ買い物に出掛けた。
カートを押しながら玉ねぎ、ジャガイモ、ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、レタスなどの野菜をかごの中に入れていく。
テツが不意に立ち止まり、ピーマンの入っている袋を手に取った。
「これはいらないだろ」
そう言って元の場所に戻した。
「ちょっと、何で返すの?」
「あれは必要ないだろ」
「もしかして、まだピーマン嫌い直ってないの?」
「嫌いじゃない。苦手なだけだ」
「それを嫌いって言うんでしょ」
私が呆れたように言えばテツは子供のように口を尖らせる。
こんなイケメンがピーマンが食べれないなんて笑えるわ。
「ほら、次行こう」
テツは誤魔化すようにカートを押して野菜売り場から離れた。
もう、仕方ないな。
「魚は食べれるでしょ」
「ああ。緑のあれ以外は何でも食べれる。ちょっと他の売り場を見てくる」
「緑のって……」
ピーマンというワードを言いたくないぐらい嫌いなのか。
数日の献立を脳内で考え、肉や魚など必要な食材をかごに入れる。
他に何か買うものはあるかなと物色していたら、テツがお菓子の袋を数個持って戻ってきた。
「これも買おう」
「お菓子好きなんだね」
「嫌いではない。美桜が食べるかなと思って」
そういえば昔からテツは甘いものが好きだったことを思い出した。
私をだしにするなんて、ホント素直じゃないんだから。
ニヤニヤしながらカートを押してレジに並んだ。