再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

今日の晩ご飯はテツのリクエストで親子丼を作った。
私が食べ終わった食器を洗っている間に、テツはお風呂に入った。
交代で私がお風呂に入った後、濡れた髪の毛をタオルで拭きながらリビングに行くとテツはテレビを見ていた。

「美桜、水飲むか?」

「あ、うん。ありがとう」

テツは冷蔵庫からミネラルウォーターの入ったペットボトルを取りだし、グラスに注いでくれた。
それを受け取ると、ソファに座って乾いた喉に流し込む。
冷たくて美味しい。

あれ?さっきまでそこにいたテツがいない。
どこへ行ったんだろうと思っていたら、ドライヤーを手にリビングに戻ってきた。

「髪の毛、乾かしてやるよ」

そう言って、コードをコンセントに差し込んだ。

「えっ、いいよ。自分でやるから」

「俺がやりたいんだよ。美桜は前を向いてテレビでも見てて」

スイッチを入れると、ブォーと音を立てながら温かな風が私の髪を揺らした。
テツは私の髪の毛を指先に絡めながら乾かしていく。

「はい、乾いた」

「ありがとう」

「何かいいよな、俺と同じシャンプーの匂いがするの」

スンと鼻を鳴らし、私の髪の毛の匂いをかいだ後、頭に唇を落とした。

「ちょ、ちょっと何してるの」

「ごめんごめん、匂いにつられて身体が勝手に動いてた。無意識って怖いよなー」

ドライヤーを片付けながら棒読みで喋る。
全然、無意識じゃないでしょ!と突っ込みたくなった。
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