再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
気づいた気持ち

月曜日、私はソワソワしながら準備をしていた。
朝ご飯はテツのリクエストのフレンチトースト。
面接に行くという緊張感から、フレンチトーストを焦がすという失敗をしてしまった。
幸いにも食パンはまだ残っていたので、新しいのを作り直したけど。

いつもは適当なメイクだけど、今日は少し時間をかけて念入りにメイクをした。
肩までの暗めのピンクブラウンの髪の毛をひとつに纏めて、この前買ったスーツに身を通して鏡の前に立つ。
おかしいところはないよね。

「そんなに確認しなくても似合ってるし大丈夫だよ」

全身をくまなくチェックしている私の姿を見てテツが笑う。

「準備できたなら行こうか」

「う、うん」

「そんなに緊張するなよ。いつのも美桜でいたらいいから」

私を安心させるように頭をポンポンと撫でる。

テツはダークグレーのスーツに白のワイシャツ、ネイビーのネクタイを締めている。
こういう恰好をしていると大人の色気が駄々漏れで、口の端にケチャップをつけている姿なんて想像すらできない。
本当に同一人物なんだろうかと疑問に思うほど。

「何、ボーっとしているんだ。行くぞ」

ハッとし、慌ててバッグを掴む。
少し大きめのバッグの中には履歴書、財布、スマホなどが入っている。
一応、筆記用具もいるだろうと思い、筆箱やメモ帳も詰め込んだ。

私は気合を入れて、テツの後を追った。
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