再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

お風呂から出て広いリビングのソファに座り、テレビをぼんやりと見ていた。
今日は何かを作って食べる気にならなかったので、晩ご飯はお茶漬けにした。
おかしいな、一人の時でもちゃんとご飯は作ったりしていたのに。
小さくため息を吐く。

何気なく見ていたテレビ画面に、あるお笑い芸人がうつる。

「あ、」

テツが好きだと言っていた芸人だ。
このツッコミが秀逸なんだ、とか言ってたっけ。
そんなことを考えていたら、テーブルの上に置いていたスマホが鳴った。
画面を見ると、テツからのメッセージを受信していた。

《戸締りはちゃんとしているか?》

何それ。
思わず笑みがこぼれる。

《してるから大丈夫》

《晩飯は食べたのか?》

《食べたよ》

《そうか。こっちはいつ帰れるか分からないから先に寝ればいいよ》

私がメッセージを送るとすぐに既読になり返信が来る。
接待中なのにスマホばかり弄っていいの?
時刻を見ると二十二時を過ぎている。
いつ帰れるか分からないって、日付が変わってから帰ってくるのかもしれない。
営業マンも大変だな。

《分かった。テツもあまり飲み過ぎないようにね!》

《分かってる。あー、早く帰りたい》

ドンマイ!というスタンプを送った。
だけど、しばらく経っても既読にならない。
接待に戻ったのかな。

このまま起きてても仕方ないし、明日も仕事だ。
そろそろ寝ようかな……。
私はスマホを持ち、自由に使ってもいいと言われた部屋に入った。
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