再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「えっ、誰?」
私の姿を視界に捉えた女性が怪訝な表情で口を開く。
まさか、こんな時間にテツの部屋に女がいるとは思わなかったんだろう。
「美桜、起きてたのか。寝ててもいいって言っただろ」
「うん、そうだけど……」
そう言いながらテツに寄り添っている女性を見たら、バチッと目があった。
敵意むき出しで睨まれ、思わず怯む。
「ねぇ、哲平。この人は誰?」
「お前には関係ないだろ。俺は大丈夫だから早く帰れ。タクシー待たせてるんだろ」
テツは女性の手を払い、靴を脱ぐ。
「関係ないって何よ」
「言葉の通りだよ。それより夜中なんだから声のボリューム考えろ。近所迷惑だ」
大きな声で叫んだ女性に対して冷たい声を出す。
テツのこんな声、初めて聞いた。
「迷惑って……今日は帰るけど、今度説明してもらうから」
女性はそう言い残すと、玄関を出て行った。
あの人はいったい誰なんだろう。
会話の内容から仕事関係の人だとは思うけど、テツのことを呼び捨てにしていた。
ただの仕事関係の距離感ではないような気がする。
あれこれ考え事をしていると、ガタッという音がした。
見ると足元のフラついたテツが壁に激突していた。
こんなになるまで飲むなんて。
「ちょっと大丈夫?」
これはベッドまで連れて行った方がいいよね。
私はテツを支えながら歩く。
重たくて私までフラつきながらも、なんとかベッドのある部屋まで来た。
あと少し、というところでテツの足がもつれ、一緒にベッドに倒れ込んだ。