再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
ようやく唇が離れ、息を整える。
心臓はバクバクと音を立て、身体はバカみたいに熱を持っている。
急に私に覆い被さるようにテツが体重をかけてきた。
「グッ」
変な声が出た。
一体なに?
訳が分からず、とにかく抜け出そうとテツを力一杯押し退けてベッドから起き上がった。
仰向けになったテツを見ると、目を閉じてすうすうと寝息を立てていた。
「えっ、寝てるの?」
唖然とした。
私にあんなことしておいて!
濃厚なキスを思い出し、顔が熱くなる。
唇だってさっきの感触がまだ残っている。
私がこんなに動揺しているのに、テツは気持ち良さそうな顔をして寝ている。
ムカついてデコピンしたら、痛かったのかテツは眉間にシワを寄せた。
額が少し赤くなり、やり過ぎたかなと思ってみたりして。
そういえば、帰ってきたままの格好で寝転がってる。
帰ってきた時にスーツの上着は脱いでいたので、ワイシャツにスラックス姿だ。
これ、明日はシワになってしまうよね。
脱がせるべきか、そのままにしておくべきか悩んでいると、テツが苦しいのか無意識にネクタイを緩めていた。
脱がしてあげようか。
私はネクタイを外し、ワイシャツのボタンに手を掛けた。
ワイシャツを脱がせようとしたけど、腕が抜けなくて断念した。
寝ている人の服を脱がせるのは難しい。
中途半端にボタンだけが外されているという残念な姿になってしまった。