再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
あとはスラックスだ。
ベルトのバックルを外してベルトを引き抜いた。
このまま脱がすと間違いなく下着が丸出しになる。
どうしようと考えた末、布団が視界に入る。
その布団をテツにかけ、下の部分を捲ると足が見えた。
スラックスを一気に脱がそうと引っ張ってみたけど無理だった。
脱がせるために眠っているテツの身体を持ち上げることは私には無理だ。
万が一、身体を触っている時にテツが起きてしまうと、何してるんだ?という話になるし。
仕方なくスラックスも脱がせることを断念した。
まぁ、締め付けているものがないから楽に寝れると思う。
というか、すでにぐっすり寝てるけど。
そもそも私が服を脱がせてあげる筋合いなんてないし、シワになったらクリーニングに出せばいいよね。
無駄に疲れた。
ベッドで寝ているテツを見て大きくため息を吐いた。
「寝るか」と独り言を呟きテツの部屋から出た。
キッチンに行き、冷蔵庫に入っているミネラルウォーターをコップに注ぎ一口飲んだ。
ふと、さっきの女性のことを思い出す。
テツに誰なのか聞いてみようかな……。
って、どうやってテツに聞くのよ!
『一緒にいた女の人は誰?』なんて聞ける訳がない。
あー、もう考えるのは止めよう。
部屋に入り、布団の中にもぐりこむと大きな欠伸が出た。
さっきは全然眠れなかったのに、急に睡魔が襲ってくる。
私は、その睡魔に逆らうことなくゆっくりと目を閉じた。