私の幸せ。
プロローグ
『ごめんな…俺達には無理だ。』
『うん……分かってる。』
中学2年生、13歳という年で私達のタカラモノが出来た。
だけど、私達はまだまだそれを2人で背負うには若過ぎた。
『ごめんな。
もう俺達…会わないようにしよう。』
『うん……さよなら。
元気でね?
幸せになって。』
『雪姫もな。』
本当にお互いの幸せを願えてたのかは分からない。
だけど、そう言葉を交わして、私達は別れた。
その時は私自身も、1人でタカラモノを守れるほど強くもなく、どうして良いのか決めかねていた。
だけど……私はその直後、女手一つで育ててくれた母親との突然の別れがあった。
私達のタカラモノの事…相談するつもりだったけど、それは永遠に叶わなくなり、唯一の家族が居なくなって1人になってしまった。
私は通夜や葬儀の間…その後も考え、1つの決意を固めた。
彼の事、今でも変わらず大好きで愛してる。
何の恨みもない。
大の大人からすれば、子供の恋愛ごっこと言われてしまうかもしれないけれど、私はその年でそんな真剣な恋が出来た事、後悔してない。
もう会う事はないんだろうけど。
ううん、違うな。
会えないんだけど…幸せを心の底から願ってる。
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