私の幸せ。
【2】翼龍の姫?!


♪~

次の日もまた目覚ましで目が覚めた。
だるいけど、1日でも怠けてしまうとここにも影響しちゃうから。

冷蔵庫の中を見ると、そろそろまた食材買いだめしないといけないなと、溜め息ついてご飯の支度に取りかかった。



それから洗濯して、またここを起こしに寝室へ。

前の私ならきっと面倒くさがったりしてたんだろうけど、ここを産んで1人で育て始めてから一度もそんな事感じた事ない。

それくらいここの事を誰よりも愛してるんだ。


だから、ここが笑っててくれたら私はそれで良い。



「ここ、おはよう。」
「んー。」
優しくここに話しかけて、起こす。
それで、ご飯を食べて用意して家を出た。


「おはようございます。」
「おはようございます。」
私達が挨拶すると、工藤先生が優しく笑顔を向けて挨拶を返してくれた。

「お願いします。」
「はい。」
先生にここを預けて学校に向かおうと幼稚園から出た。


「雪姫ちゃん?」
その時、ある人に見られていたなんて気づかなかった。



学校に着くと、すぐに教室へ。

「あっ、ゆっきーおはよう!!」
今日は先に蒼が来てたみたいで、自分の席に行くとそう声をかけてくれた。

「おはよう。」
「昨日はホント吃驚した。」
「ごめんね。
でも、私も吃驚したの。
再会すると思ってなかったし、もう会わないつもりだったから。」
「拓真の事……もう嫌いなの??」
少し聞きにくそうに蒼がそう聞いてきた。

「蒼は単刀直入だね。
うーん。どうなのかな。」


『今でも愛してる』
どうしても、この質問でそう返す事は出来なくて、私は曖昧に答えた。

愛してるけど、それは私だけの想いで、拓真にはもう気持ちはないと思うから。

昨日憶えてたのだって、きっと罪悪感があって憶えてただけで好きとかじゃないと思うから。

だから、勘違いしちゃう前に、私は自分の気持ちに厳重な鍵を掛けた。



「はい、席つけー!!」
そう言って、先生はだるそうに教室に入ってきた。

「相変わらず人数少ねぇな。」
教室を見渡しながら、そう言葉をこぼす。
そして、連絡事項だけ伝えてサッサと出ていった。

「慧さん早いなぁ…。」
それを見つめつつ、蒼が呟く。

「ねぇ…今日も一緒に来ない?」
「えっ…。」
「きっと皆もゆっきーの事気に入ってるし…拓真も待ってるよ??」
蒼はいつもより少しトーンを落としてそう言った。

「ううん。待ってないよ、きっと…。
だから、もう行かないよ。
ううん、行けない。」
「ゆっきー…。」
蒼は私の答えを聞いて暗い顔をした。



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