私の幸せ。


「そうだったんだ。」
「じゃあ今はその子と…?」
深刻そうに時雨と蒼が聞く。

「うん。
心に愛でここあって名付けたんだ。
今年で3歳になる。」
「そうなんだ。」
皆、それしか言えないみたいだった。
拓真に至っては思考回路停止中。


「拓真。」
「えっ、あぁ。」
「拓真に今更父親になってもらおうとか思ってないよ。
そういうつもりじゃなくて、私よりここを守ってほしくて。
あの子は誰よりも大切な存在だから。」
私が声を掛け、気を取り戻した拓真に私はそう頼んだ。


「分かった!
僕、ここちゃん守るね。
でも、ゆっきーも守るから。」
「俺も了解。」
「…ごめん、何も知らなくて。」
蒼・時雨・拓真の順にそう言ってくれた。


「お願いします。
別に気にしないで…私が決めた事だから。
今は私はここの為に生きてる。
高校受験遅らせたのは、まだ預けるには心配だったから。
高校行く事にしたのも、就職するなら高校の卒業資格くらいは持ってないとと思ったから。」
「本当に大事なんだね。」
槙の言葉に私は笑顔を返した。

「で、さっき2人が話してたのは?」
「今日幼稚園から出てくるとこ、槙に見られてて。
知らないと守れないから話したらって説得されたの。」
「そうだったんだ。」
蒼の質問に答えると、蒼は納得したように頷き、時雨も拓真もホッとしたような顔をしていた。


「今日、心愛ちゃん連れて来れる?」
「溜まり場に一緒に来てほしいんだ。」
槙に続けて、時雨がそう言った。

「6時には帰してくれる?
8時からバイトなの。」
「分かった。」
私の言葉に拓真は静かに返事した。



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