私の幸せ。
さっきも言ったようにマンションは買ってもらったが、生活費は保険金だけだ。
生活していく分には高校生の間は全然問題ないけど、ここの学費とか将来の事を考えるとなるべく貯金はしておきたい。
だから、今日から歳を少し誤魔化して働く事になってる。
家から10分程の場所にある繁華街の中のキャバクラ。
週4で、夜8時から夜中の3時まで。
体力的にも精神的にもきついし、人と話すのは苦手だけど、ここと自分の未来の為に頑張るって決めた。
その間ここは、お店近くの夜間営業の託児所に預けることになってる。
夜に連れ出すのは心苦しいし、ついててあげられないのは辛いけど、でも近くだから何かあったら直ぐ駆けつけられる。
だから、頑張るから。
そんな事を考えてるうちに、高校の校門前に着いた。
「うわぁ……。」
何度か見てるのにいまだにそう感想を溢してしまうのは学校の外観が凄いから。
窓割れてるし、派手な落書きがそこら中にしてある。
まぁ、不良校だって事は前々から知ってたし、ある程度覚悟はしてたんだけど、思ってたより酷かった。
仕方ないけどね。
私は頭はそんなに悪くない。
もっと良い高校だって入ろうと思えば出来たと思う。
実際中学時代は友達が居なかった分殆ど勉強だけしかしてなかったから、担任にはレベル高めの進学校を薦められた。
だけど、ここに何かあった時に直ぐに早退や欠席しても大丈夫なように此処、笹塚学園に入学した。
因みに入学式の日はここの体調が悪くて私は来れなかった。
学校には連絡したし、入試成績も群を抜いて良かったから大丈夫だった。
普通の学校なら入試トップの人が挨拶したりするけど、この学校はいろんな意味で危ないからしないんだとか。