私の幸せ。


「まぁ、とりあえずクラスは聞いてるし、教室行こう。」
誰にともなく、そう独り言を溢し校内に入った。


教室に着くまで、少し多い人数の不良っぽい人達に見られた。
皆目付き悪いし、とにかく派手。

だけど、気にしないようにして廊下を歩いた。


教室に着くと人少ないし、多分殆どまだ来てないんだろう。
女子も居ない。

そういえばさっきも男の子しかいなかった。


一体、この学校では女の子は何人居るんだろう??
友達が欲しいとかでもないけど、気になる。



「あーっ!!」
暫くすると、勢いよく扉が開かれ、入ってきた明るい茶髪のふんわりパーマの小柄な男の子が大声をあげた。

「えっ?」
適当な席に座ってたから、もしかしてあの子の席なのかと少し吃驚しながら腰をあげると、その子はこっちに向かってきた。


いつのまにか来ていたクラスの子(?)とか廊下にいた男子は挨拶してて、少数の女子は何処から来たのか何か叫んでるけど、それは無視で。


「君、だーれ?」
近くで見ると、かなり可愛い顔をした男の子は首を少し傾げながらそういった。

私からすると、『貴方こそ誰?』な状態なんだけど。


「えっ、このクラスの者ですが?」
私は外野の驚く顔とか若干周りの反応に驚きつつも普通に答えた。

「でもこの前居なかったよね??」
「あぁ、入学式の日は事情があって来なかったから…。
貴方は?」
「僕は佐竹 蒼-サタケ ソウ-。
僕もこのクラス。
君の名前は?」
可愛い笑顔で自己紹介してくれた佐竹くん。
私も自己紹介する事にした。

「私は、檜山 雪姫。
あの、もう席とか決まってるのかな?
私、分かんなくて勝手に座ってるんだけど。」
「綺麗な名前だね。
席は特に決まってないよ。
そこにする??」
「うん。出来れば…。
窓際好きだし。」
「うん、了解。
あっ、宜しく!!」
「うん!」
女の子の視線が痛かったけど、まぁこれだけ可愛ければファンも居るんだろうと、特に深く考えずにそう言って差し出された手を握って握手した。

佐竹くんはいつの間にか私の席の前の席について、後ろを向いて話してくれた。


それから暫く佐竹くんと話してるうちに、蒼とゆっきーと呼ぶことが決まった。

でも、一向に先生が来ない。



「あのさ、先生は?」
「担任?
朝来た時会ったけど、そういえば来ないね。
慧さんサボりかな??」
「慧さん??」
私は突然出てきた知らない名前に首を傾げた。


「あぁ、慧さんってのはこのクラスの担任だよ。
本名は本多 慧-ホンダ ケイ-。
ここの卒業生で、僕らの先輩。」
「そうなんだ。
てか、担任がサボりとかあるの??」
「気まぐれな人だから。
痛っ!!」
そう話してると、急に蒼の背後に人が現れ、黒い何かで蒼の頭を叩いた。



< 6 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop