私の幸せ。
-拓真side-
俺は、三浦 拓真-ミウラ タクマ-。
高校2年で、今翼龍って族の総長してる。
まぁ、老け顔でよく大学生とかに間違われるけど。
女には騒がれる方だけど、俺は自分の事をあんまり好きじゃない。
俺は全然強くもない。
肝心な時、守れなかったから。
一番大切に思っていた奴の事を。
怖じ気づいて、切り離した俺はマジで最低だ。
数年間、ずっとそれだけを悔い続けている。
あいつは今幸せなのか??
俺らの第2の溜まり場である学校の屋上で、空を見上げながら考えていると、幹部で一番年下の特攻担当の佐竹 蒼から電話がかかってきた。
どうやら、気に入った奴が居て連れて来たいらしい。
蒼は男のわりに可愛い系で、翼龍の幹部って事もあり媚びてくる奴等は男女問わず相手にしない。
普段ニコニコしてやがるのに、そんな容姿や立場目当てで誰かが寄ってくると、途端に無表情になる。
だから、そんなあいつが信用出来るってなら、少しは会ってみる価値はあるだろうと判断した。
人を見る目は確かだからな。
「どうした?」
俺が考えてると、翼龍幹部で副総長の高橋 時雨-タカハシ シグレ-が不思議そうに聞いてきた。
時雨は俺より大人だったりして、場を和ませたりフォローしてくれる。
同い年だけど、ふざけるとこはとことんふざけて、真剣な時は誰より真剣な兄貴的存在。
「蒼が此処に連れてきたい奴が居るんだと。」
「へぇー、珍しいね。」
俺が答えると、もう一人の幹部で情報担当の神崎 槙-カンザキ マキ-が微笑みながらそう言ってきた。
「あぁ。
けど、あいつが気に入ったらしいから許可した。
直ぐ来る。」
「そっか。
どんな奴だろうな??」
「嫌いなタイプだったら直ぐにでも追い出すけどね。(黒笑)」
槙の腹黒発言に『やっぱりこいつが敵じゃなくて良かった。』と時雨と目線で会話した。
そんな感じで、蒼達が来るのを待った。
まさか、再び出逢う事になるとは知らずに…。