私の幸せ。
「おっ待たせー!!」
相変わらずなテンションで蒼が勢い良くドアを開け、屋上に入ってきた。
「おぉ。」
「ほら、大丈夫だから入って。」
俺らが挨拶返したのを確認すると、閉まったドアを若干開けて、ドアの向こうの相手にそう言って掴んだ手を引っ張った。
今見えるのは細くて白い手。
相手が躊躇してるみたいだ。
「ほーら。」
「ちょっ、待って!!」
そう言って入ってきたのは……俺がずっと忘れられなかった、あの頃より少し成長してより綺麗になったあいつだった。
「雪姫…。」
「えっ、拓真…。
どうして……。」