あたしと君とでひとつになる
……………………………………………



「これ、たしかに受け取ったわ。いつもありがとう」



編集部について、担当の荻野(おぎの)さんのところに行こうとしたとき、声が聞こえる。



「いえいえ、結構楽しいんで」


「もう、三年になるのね。貴方に頼んでから」


「彼女が人気になってくの地味に嬉しいですよ」



あたしは、足がすくんで動かせないでいた。

だって、あたし、なんの話をしているのか分かるから。



「じゃあ、また来月」



コツコツと歩いてくる足音が近くなってくる。

顔を見たくないという気持ちがあるのに、足をその場から動かすことごできないでいる。



「あら、ひまりちゃん?」



一緒に歩いてきた荻野さんが、あたしに気がつく。



「あ、少し早く着いちゃって.......って、原崎くん!?」



荻野さんに頭をさげて、顔を上げると、横に見知った顔が立っていた。



「あ、お前.......」


「え!?ひまりちゃんとキューくん知り合いだったの!?」



荻野さんが血の気の引いたような顔になる。

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