願わくば、君があの子と結ばれませんように
だって、私は幸斗が好きだから。
物心ついた時から、ずっとずっと好きだった。
本当は、幸斗もそうなんじゃないかって、期待してた。
よく、恋愛小説とかにあるじゃない。
2人の幼馴染が隠してきた片想いは、本当は両想いでしたってやつ。
いわゆる両片想い。
もしかしたら、私たちもそうなんじゃないかなって、思ってた。
でも、違った。
私たちは例外、だった。
それがわかったのは、あの日幸斗が────
「ーき?まーき!麻稀!」
「えっ?あ、呼んだ?」
「どうした、珍しい。お前がぼーっとするなんて。」