願わくば、君があの子と結ばれませんように


だけど実際、幸斗があの子のことで嬉しそうにしているのを見ると、私の選択は正しかったのだろうかと、疑ってしまう。


やっぱり、あの日からだ。


幸斗が私に打ち明けてくれたあの日から。


私の世界は180度変わってしまった。


だから私も好きな気持ちをやめようと思った。


あのまま幸斗があの子といてくれたら。


あの子と幸せに過ごしていてくれれば。


私のことなんて忘れるくらいに、あの子と一緒にいてくれたら。


幸斗が私から離れてくれれば、私も諦めがつくと思ったから。


けど、そうじゃなかった。


幸斗は、私に何度も相談に来て、いつもニコニコしながら必ず最後に、満面の笑みで言うんだ。


『ありがとな、やっぱこんなこと相談できんのお前しかいねーわ』


こんなことを好きな人に言われたら、諦められないじゃん。


それに、登校する時一緒に行かなかった日は未だ0回だ。毎日幸斗と一緒に行っている。
< 7 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop