惑星のダンス
しばらく並んで歩いていると、愛が呟いた。

「山瀬は“天空を泳ぐ”をどう思った?」

「……綺麗な曲だと思った。曲調も、言葉も。おまえは……寂しいと思ったのか?」

「……うん」

愛は少し言い淀んだ。それから、一瞬だけ目を閉じる。

「知り合いのことを思い出したから」

「知り合い……」

どういう知り合いなのか。訊きたくなるのを必死にこらえる。

いつの間にかクラゲのゾーンに来ていた。円柱状の水槽が立ち並んでいる。

「その人は、割と辛い恋をして……それがこの曲と重なったから。美しくて、綺麗で、透き通っていて……切なくて、脆くて、寂しい」
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