惑星のダンス
「宝物。ものすごく大切で、壊れやすいからずっと心の奥にしまってて、自分だけのものなんだ」

寂しく思うこともあるかもしれない。切なくて胸が引き絞られることも。

「でも……柔らかくて、温かいものだと……俺は思った」

感じたことをうまく伝えられたかわからない。けれど言葉を尽くしたつもりだ。

息を吐いて愛を見た。

と──天はぎょっとする。

愛が泣きそうに見えた。

「あ──」

「行こう」

「はっ!?」

「スタジオ。行こう」

「え、ちょっ!?」

確かにもともとデートが終わったらスタジオに行く予定ではあったが急すぎないか!?

と反駁する余地は与えられず、天は腕を引っ張られて水族館を後にした。
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