惑星のダンス
「全部終わらせようとしなくていい。基礎だけ選んでやれ。時間が余れば残りを。あと一教科だけに集中しないこと、全体的に進める」

「……はい」

「基礎が身についてれば応用もできるし、テストで四割くらいは取れるだろ」

「はい」

「赤点さえ取らなきゃどうにかなる。課題は全部終わらなくてもとりあえず期日に出せ、再提出になってもいい」

「はい」

「で、これ」

大人しく耳を傾けていた天の眼前にノートが突き出された。

「基礎すらわからないときのために。これができれば問題ない」

「足立……!」

感動のあまり震える手で受け取ろうとすると、すっとノートは引っ込められた。
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