惑星のダンス
悲哀と懇願を混ぜた瞳で見上げると、足立はにいと笑う。

「見たよ、和菓子屋のロケ」

「どうも……?」

「季節の上生菓子」

「え……あ、買ってこいってかぁ!?」

裏返った声で叫んだ。数日前にオンエアされた、和菓子屋を訪れたロケ。高級店である。

しかし待て。高級といえど天井は知れている。上生菓子くらいなんだ、ここでテストを落としたら……。

天秤はあっさり傾いた。

「期末終わってからでいい……?」

「よかろう」

ノートは天の手に渡った。パラパラめくっただけでわかりやすい、どうなっているのだろう。

ちなみに愛に対しては金平糖を要求していた。彼女は一も二もなく頷いていた。
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