惑星のダンス
そんなこんなで期末試験を迎えた。

結果としては、天は世界史と古典が危うかったがなんとかクリアした。愛も穏やかな雰囲気なのでセーフだったのだろう。

季節は七月である。気温は高いがまだ梅雨は明けない。蒸し暑いのは勘弁だ、梅雨明け宣言が待ち遠しい。

夏休みに入れば仕事が隙間なく詰め込まれている。早く来てほしいような、来てほしくないような。

そんな中、“天空を泳ぐ”の配信が決まった。

「ずいぶん無理をしたのでは?」

涼やかな声で足立が言う。

彼女が冷気を振りまいているだのと言ったのはいつだったろうか。あながちデタラメでもなかったな、と隣に座る天は思う。

愛は無表情で低体温そうなので冬が似合うかと想像していたが、案外夏が似合った。夏は似合うけれど海は……どうだろう。

「本人には無理したって意識はないだろうね。好きでやってたみたいだよ」

答えたのは我らが社長だ。ここは再び社長室、またしても二人揃って呼び出された。
< 110 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop