惑星のダンス
「おめでとう。──映画だよ」

「……えっ?」

「恋愛映画。君たち二人でW主演」

「……えっ?」

えっ?

それ以外の言葉が出てこない。天は硬直してただただ社長を見つめるのみだ。

わけがわからない。

社長は苦笑した。

「驚かせすぎたかな」

返る言葉はない。アイドル二人は黙り込み、沈黙が落ちる。

ゆっくりと社長が立ち上がった。黒檀の机を回って二人の目の前に立つ。

思っていたより背が高い。柔らかな面差しだが鼻筋が通っていて二枚目だ。体に余分な脂肪もついておらず、かなり若く見える。

ぽん、と右手を愛、左手を天の肩に軽く乗せた。
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