惑星のダンス
一週間後である。

楽屋で衣装の確認をしながら、天は嫌がらせのダンボール箱に思いを巡らせた。

事務所には今、七個のダンボールが保管されている。一日一個、手間のかかる嫌がらせである。

「いつまで続くんだろうなあ」

「嫌がらせの話?」

相槌を打つのは愛だ。姿勢よく椅子に腰かけている。

思えば二人共同の楽屋を使うのは今回が初めてだ。新鮮な気持ちがする。

「そう。さすがにちゃんとした機関に言った方がいいんじゃね? もう一週間だぞ」

「天がそうしたいならそうすればいい。一番危険なのは天だろうから」

「他人事じゃねえんだぞ、おまえも」

淡々と、いつも通り表情の変わらない彼女に、天は片眉をひそめてみせる。
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