惑星のダンス
出番を終えた二人は、静かに楽屋に戻ってきていた。

確かな手応えに興奮するでもなく、安堵するでもなく、淡々と。

「──愛」

口を開いたのは天が先。愛がゆっくり振り向いた。

「俺、自分のアイドル人生の中で……今日が一番のステージだった。……かも」

「かも」

「や、だって……。なんとなく一番って思ってるだけで数字出てないし……あいつらに悪いかなって思ったりも……」

「それはわかる」

「ん?」

天が言った「あいつら」は当然PLANETのメンバーである。愛がソファーに座りながら目を伏せた。

「私も美姫に悪いなって、少し思った」

天は目を瞬いた。一歩、愛に近づく。
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