惑星のダンス
「どうかしましたか?」

「ちょっとこちらへ来ていただけませんか?」

「?」

怪訝に思い、傍らの愛と顔を見合わせる。なんとなく、「よくわからないが行ってこい」という目をしている気がして、天はユノに歩み寄った。

「なんです?」

近づいたがユノはなにも言わない。変化のない笑みをたたえているだけだ。

天は不意に思う。彼女と比べれば、愛の方が表情豊かだと。無表情が崩れることはほとんどないのに。

微笑んでいてもユノには表情がないと、なぜだか感じた。

ガン、とどこかで音がした。次いでふっと暗くなる。

「──天」

愛の声がした。聞いたことのない音程。切羽詰まっている呼びかけ。叫び声に近い。
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