惑星のダンス
咄嗟に天は頭上を見上げた。まさに照明が落ちてくるところだった。

「っ、」

瞬間、天は目の前の女の細腕を掴む。引き寄せてから背を強く押した。

ユノは落下点から外れた。しかしその動作をしている数秒で、光をあらぬ方向に振りまくライトが間近に迫っている。

逃げる間はない。両腕を顔の前に持ってくるくらいがせめてもの庇護動作だったが。

「!?」

ぐん、と後ろ襟をひっつかまれて、天は床に倒れた。

直後、ガシャンと派手な音が響く。痛みはなかった。

「っちゃー、彗兄ってば……。これ弁償させられたりなんてしないよな……」

「……、海!?」

「よ」

左手を挙げてみせたのは海だった。天を引き倒したのは彼らしい。
< 132 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop