惑星のダンス
「怪我、ない?」

「彗……」

目を丸くしている天の様子から大丈夫だと判断したのだろうか。彗は二、三度天の頭を撫でた。

「照明を落とした人間は捕まえてくれるとして。ユノにも話聞かなきゃ」

「え……ちょっと待て、これ、事故じゃ」

「ないよ。心当たりがないわけでもないと思うけど」

「……例の嫌がらせ?」

海は天を横目で見る。天はぞっとした。怒りに満ちた目だったから。もちろん天に対する怒りではなく、犯人にであろうけど。

「そ。あの件で色々ね」

「……なるほど」

「ユノさん? ちょっとこっちおいで」

彼女はソラが突き飛ばしたあと、転んだらしい。床に座り込んだ姿のまま身動きしない。
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