惑星のダンス
「え……父さんを?」

「……は?」

ぐるんと首を九十度曲げて、愛の横顔を見つめた。

「怪我ひとつないから心配しないでって、祐実ちゃんが」

「そっか……」

「いやいや待て待て。なんつった? 今」

天の聞き間違いでなければ、愛は、社長のことを。

「父さん……だと?」

そう呼んだ。天には急すぎて理解できない。

愛は無表情を崩さず、苦笑したのは海だった。

「あはは、とうとう天にバレちゃったか」

「うそ……だろ? 事実なのか……?」

「まあ驚くよね」

あっさりとした口調ゆえ、ますます現実味がない。
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