惑星のダンス
「──アイ」

ゆっくり振り向く彼女は神々しくすらある。

……詐欺だ。

天は内心思った。

学校で見るときと全然違う。圧倒的な存在感。近寄りがたい美しさ。それでもなお心惹かれる。

小首を傾げて、彼女は口を開いた。

「どうかした」

「……おまえなあ」

ロケ中にタレントが喋りかけて「どうかした」はないだろ。

とは言えず話の種を探したときに気がついた。

「おまえ、動物は?」

ふれあい広場、小動物たちと誰でも気軽に触れ合える、という文句なのに、アイの周囲には愛らしい姿はない。
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