惑星のダンス
ハムスターは身じろぎ一つしない。

アイの表情も変わらないので写真かなにかのようだ。

ここぞとばかりにカメラはアイに集中する。

「あったかくて、ちょっと重い」

「感想それ?」

「見えないから、可愛いとかわからない」

「確かに」

「落ちそうだから動いていいものか迷う」

天はハムスターを回収する。アイの両手に乗せてやった。

アイは数秒眺めていたかと思うと、

「……可愛い」

ふっと微笑を浮かべた。

「……!?」

こいつ、笑うのか!?

クールビューティと名高い彼女の微笑みは、ちょっとした……いや、けっこう、かなりの破壊力。

動揺と共に、自分の爆笑は薄れるのでは? と、現実的な思考を働かせた。
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