惑星のダンス
ロケは午後三時頃に終わった。

車に揺られて事務所に帰ってきたときには、街は夕日に照らされていた。

「はい! 皆さまおつかれさまでしたー!」

パン、と手のひらを合わせて松屋が言う。“PLANET”のマネージャー。元気が取り柄、ショートカットが特徴の、若い女性である。

「ソラさんはご自宅まで私がお送りしますけど、カイさんは?」

「自分で帰るよ」

へらりと笑って海が答えた。送られるほどの距離ではない。

「了解しました! くれぐれもお気をつけて。今日は休養してくださいね!」

「アイも自分で帰る? ミキは、送るけど」

口を挟んだのは“Venus”のマネージャー、黒森だ。黒いスーツ姿しか見たことがない、若い男。デビューからの長い付き合いだが、未だよくわからない。

「うん」

マネージャーたちは海と愛が兄妹で、自宅がすぐそこだと知っている。毎度こういう感じだ。
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