惑星のダンス
「じゃあ、帰る前に仕事のお話を」

言いつつ松屋が書類を取り出す。ぺらりと顔の横に掲げながら快活に笑った。

「お料理番組ですよ。“Venus”のお二人と、“PLANET”からも二人で。今回はソラさんとカイさん、と指定されましたけど、これは自由です」

「で、松屋と相談したんだが、今回のロケうまくいったんなら次もおまえらでいいんじゃないかって」

「はい。スケジュール的にも、ソラさんかカイさんか……ダイチさんか、というところなんです。いかがでしょう?」

マネージャー間の話し合いは済んでいるらしい。交互になされた説明に、愛は美姫と顔を見合わせた。

「あたしたちは構いませんよ」

美姫の台詞により、必然的に視線は天と海に集まる。天は戸惑ったように言った。

「俺はいいけど」

「あー。ごめん、俺はだめ。大地に声かけてみて」

「あらっ、だめですか」

「うん、悪いね。料理はちょっと」

眉を下げて顔の前で両手を合わせるものだから、松屋もそれ以上は追求しなかった。
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