惑星のダンス
「で、なに? それを訊きたかっただけ?」

「あ、いや」

天は口ごもって目を泳がせる。やがて、意を決したように口を開いた。

「俺も教えてほしい」

「……料理の話?」

「そうだ」

アイドル二人の視線は祐実に集中した。彼女は肩を竦めてみせる。

「いいよ。私はね」

今度は愛に集中した。祐実の目が問うている。

『天野家でやるんだろ? いいの?』

「……いいよ」

こくん、と頷くと、先程の愛と同じに天が安堵した。

「あざす」

「明日ね。詳しくはあとで連絡する」

「了解ー」

晴れた顔で笑って天は立ち去った。背中を見送りながら祐実が呟く。

「正体バレるのも時間の問題か?」
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