惑星のダンス
「まあ怪我人がいなくてなにより。次炒めるからフライパン」

「はい」

「加熱して油を引く。あとサラダ作ろうか」

「ういー。また包丁使うの?」

「大根とキュウリ切るだけだよ。できるだろ?」

足立の指導はわかりやすかった。必要以上にうるさく言ってくることもなく快適だ。

駄目元で志願してよかった。料理なんてろくにしたことがなくて不安だったが、なんとかなりそうだ。

「その料理番組ってどんなの?」

調味料を棚から取り出しつつ足立が問う。ジュワァと肉が焼ける音と、アイの返事が聞こえた。

「バトルなんだっけ? 詳しくは聞いてない」

「俺もよく知らんけど、俺らとそっちでチーム戦とかじゃないか?」

結局出演は大地になった。やけに嬉しそうだったことを覚えている。
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